あらすじ
故郷の薩摩が始めた戦争を止めるため、山猫と旅を続けるきり。
やがて時は移り変わり、明治二年五月、戊辰戦争は新政府軍の勝利という形で集結した。
目的の無くなった山猫ときりは北海道の山中に身を潜めて暮らしていたが、そこには戦争で親を亡くしたアイヌ民族の孤児達も隠れ住んでいた。
どんな願いも具現化する力を持つという伝説の妖刀イペタム。
アイヌに伝わる一振りの妖刀が山猫を最後の戦いへと誘う。
きりとの旅の終わり、そして山猫の最期…
新山猫最終章、遂に完結!!!
前作までのあらすじ
慶応三年-幕末-佐幕、勤皇、攘夷、開国。大人達がそれぞれの理想を掲げ、争いが続いた混沌とした時代。
そんな時代に故郷の薩摩藩と幕府の戦争を止めたいと願う一人の少女がいた。
少女の名は「きり」
きりは薩摩の大物「西郷隆盛」の実の娘だった。
父親が幕府と戦争をするために用意した軍艦の権利書と十六万両の手形。
それらを戦争を止める為に家から持ち出したきりは、信用出来る従者(島田とお蝶)を連れて薩摩を飛び出る事に。
だがどこから情報が漏れたのか、十六万両の手形を手にしたきりは私欲に目が眩んだ新撰組の男達に命を狙われる事に。
そこで自分の命の護衛を頼んだのが、京都の鞍馬山の奥地に隠れ住む凄腕の仕事人「山猫」
山猫は言葉を話さないが人の心を見通す目を持つ不思議な男だった。
それ故に山猫は心の澄んだ純粋な人間にしか力を貸さないという変わり者でもあった。
山猫はきりを一目見た後、その純粋で真っ白なきりの心を見抜き、護衛の依頼を引き受ける。
だが、山猫達の行く先にはことごとく新選組が現れる。
それは、きりが信用していた従者の「島田」が裏切り者で、新選組と繋がっていたからであった。
さらには、娘の失態で自分の地位が危うくなるのを恐れた実の父親西郷隆盛にまで命を狙われる事に。
そして信じていた「お蝶」までもが父親である西郷隆盛の愛人であり、きりの周りにいた大人達は皆裏切り、きりの元から離れていった。
だが山猫だけはきりを最後まで守り続けた。
山猫は薩摩最強の男「イヌイ」から命がけできりを救う事に成功する。
最後にきりの元に帰ってきたお蝶と、もはや身寄りの無いきりを連れて、山猫は更なる薩摩の追手から逃げるように東へと旅立つ。
薩摩の追手から逃げるようにあての無い旅を続ける山猫ときりとお蝶。
山猫ときりは旅を続ける中で親子のような絆を深めていく。
旅の道中野盗に襲われていた「卯月」と名乗る娘を助けた事から三人は彼女の住む江戸の町に案内される。
しかしそこで見た光景は、幕府を挑発するために火付けや掠奪を繰り返す薩摩藩によって混乱する城下だった。
そんな薩摩藩の横暴を止めたいと願うきりの心を汲んで、幕府の警備組織「新徴組」に手を貸す事になる山猫。
そんな中、きりの前に現れる元許嫁の男「蟹江」。
しかし、蟹江はきりを暗殺する為にやって来た薩摩の密偵だった。
人の心を見通す目を持つ山猫はすぐに蟹江の正体に気付くが、蟹江を慕い始めているきりの心にも気付いてしまう。
山猫はきりとの旅をはじめてから一度も刀を抜き、人の命を奪う事をしなかった。
薩摩藩との激しい戦いの中、なぜ刀を抜かないのか、なぜ言葉を話さないのか、本当は話せるんだろ?と、新徴組の組頭「沖田林太郎」に問われる。
山猫は自分を気にかけながら一緒に戦ってくれていた沖田にとうとうその理由を語りだす。
過去に殺されてしまった自分の本当の娘ときりを重ねてしまっていた事、優しいきりを辛い気持ちにさせまいと刀を抜く事をためらっていた事、言葉巧みに騙され娘を殺された過去から言葉そのものを拒絶してしまっていた事。
堰を切ったように話し出す山猫の言葉を沖田は黙って最後まで聞いていた。
沖田は山猫に「行くのか?」と問う。
再び黙って踵を返す山猫は、きりの命を守るために人知れず蟹江を殺しに向かう。
しかし山猫はきりに蟹江を殺す瞬間を見られてしまう。
山猫は何も語らず行ってしまうが、自分の為に何もかも背負い込んでいたと悟るきりはお蝶を沖田の元に残して山猫を追いかける。
孤独な山猫と身寄りの無いきりは、お互い家族のような絆を深め、北へと旅を続けるのであった。
慶応四年‐夏‐
実の父に命を狙われるきりは薩摩の追手から逃げるように山猫と旅を続ける。
二人は道中の綺麗な小川で蛍の幼虫を見つける。
夜になって飛ぶ蛍が見たいとせがむきり。
そんな二人の前に突然現れる新選組の男。
男は元新選組三番隊組長「斎藤一」であった。
斎藤はきりに「戦争を止めたいと願っているだけでは止められるわけがない」と言う。
きりがどうすればいいのかと尋ねると、斎藤は「相手の指揮官を攫い直接対話で戦争を止めろ」と答える。
続いて、攫うには山猫の力が必要だとも言い、二本松でその手筈を練るので待ってると一方的に伝え行ってしまう。
二本松に辿り着いた山猫達は、自ら戦場に立つ会津の女達「会津娘子隊」と出会う。
会津娘子隊隊長の「中野竹子」は戦争を止めたいと願ってるだけで止まるはずが無いとまさに斎藤一と同じ事を言う。
そして止めたければ自ら戦いなさいとも言った。
その言葉に少しずつ心が揺れていくきり。
ある日とうとう「私も会津娘子隊に入って戦う」と言い出す。
だが山猫は戦争を止めたいと願う者が自ら戦争に参加するなんておかしい、相手の指揮官を連れてくるまで待つんだとなだめる。
そして山猫と斎藤一は相手の指揮官「板垣退助」を攫う事に成功し、きりは会津が武装を解除すれば戦争を止めるという約束を交わす。
だが会津は誰もきりの言葉を聞かずとうとう会津戦争は始まってしまう。
もう戦うしか無いと戦場に飛び出すきり。
きりを救う為山猫も戦場へ。
しかしきりは戦場にはおらず二本松城の城内にいるのだった。
二本松城は敵の本隊の攻撃を受けており一刻の猶予も無い状態だった。
斎藤一と中野竹子はここは任せて早く行けと山猫を行かせる。
山猫は命がけできりを救いだし、斎藤一や中野竹子らも命からがら逃げ出すのであった。
夜の森に逃げ込んだ山猫達は戦争がいかに愚かで悲惨な事なのかを痛感する。
会津娘子隊も斎藤一もこれから自分達に出来る事で少しでも犠牲者が出ないようにすると誓う。
山猫は斎藤一に借りを返さなければならないと告げると斎藤は借りは土方さんに返してくれと言う。
新選組副長土方歳三、きっとお前達の行く先にいる。そう言われた山猫はわかった、覚えておくと約束する。
最後に山猫ときり、会津娘子隊、斎藤一、全員で光って飛ぶ蛍を見て別れるのだった。
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